社長として会社をやっていると必ずやってくる試練「資金不足」。

資金調達は経営者が経営者であるかぎり、永遠につきまとう大きな課題です。
私も月末に100万円のお金が準備できず、取引先に頭を下げて回り、家族親類縁者に頼みこみ、金策に走り回った経験があります。

ご自身が初代として立ち上げた会社を経営している経営者で、金策で頭を下げまくり、走り回った時期がないという人に、私は会ったことがありません。
税務経営戦略の担当者として多くの経営者と会っている中で、こんな時期を過ごした経験を持つもの同士多くは語りませんが、目で「お互い大変でしたよね…」という何とも言いがたい感覚を共有することは、多くあります。

生き残る経営者は、必ずこの時期を乗り越えた人です。

そして優秀な経営者であり続けるためには、資金調達に困らないことが必須条件です。

しかし資金調達に関して、起業1年目からいつでも順風満帆な会社なんて、そうそうありません。
特に自分が一代目として立ち上げた会社ならなおさら、資金不足、資金調達で苦しむことは、一流の経営者になるためには当然受けるべき洗礼です。

今月31日の支払い分が足りないから、いったん自分の口座から自分の貯金を入れて、25日に入ってくる〇〇さんからの売上分を、あの支払いに回して…

こんな経験、経営者なら必ずあるでしょう。
私も何度もあります。
そしてこんなに苦しい時はなかったと、今でも思います。

しかしそんな資金調達に苦しむそんな時に、金融機関の担当者に相談しても、使える方法は何も出してもらえません。

なぜなら彼らの大きな仕事は、とりっぱぐれがなさそうな安定した法人に、お金を借りてもらうことだからです。
今月末の支払いが苦しい法人に資金調達をすることが、彼らの仕事ではないのです。

私も経営初心者のころは、金融機関の担当者や士業、中小企業診断士、経営コンサルタントたちに何度も相談に行きました。
しかし彼らからの返事は
「資産もない、口座にお金もないんじゃ無理ですね」
「とにかくがんばって、売上をまず上げてください」
「自己破産しては? 弁護士を紹介しますよ」

悔しくて恥ずかしくて、みじめな思いをかみしめながらその日私は自宅へ帰りました。
要は何一つ、彼らに相談したところで資金問題は解決しなかったのです。

しかしここで会社を倒産させて自己破産なんてしてたまるか!という思いだけで、私は自分自身の身をもっていろいろな方法を試してきました。
その結果なんとか会社は生き残らせることに成功し、この経験をもとに25年以上経営者としてやってこれました。

ここでは過去実際に私が試し、使ってきた金融機関以外からの資金調達法3つについて、詳しく解説します。

ファクタリング

ファクタリングとは、会社が持っている売掛債権を買い取り、現金化する取引のことをいいます。

ファクタリングの仕組み
ファクタリングの仕組み

支払期限がくる前に売掛金を受け取ることができ、支払いや返済に充てることが出来ますが、ファクタリング会社に手数料を支払わなければならないため、本来受け取れる金額より少なくなります。

この方法のメリットは、現金が経営者の手元に来るスピードがとても早いことです。
申し込み後、2~3日で入ります。
翌日の入金をうたっているファクタリング業者もよく目にしますが、翌日入金はまずないです。

デメリットは当然ですが、手数料をファクタリング会社に支払わないといけないので、経営者の手元に残る資金が目減りします。

ファクタリングに関しては違法ではありませんが、使う前には金融庁の注意喚起も参考にしてください。

ファクタリングのデメリット:実際の手数料は5~7倍

ファクタリングのデメリットは2つあります。

1.手数料が10~20%とられること
2.取引先に確認が入る可能性がある

この2点です。
それぞれのデメリットについて、解説します。

ポイント1. ファクタリングで実際にひかれる手数料について

多くのファクタリング業者が自社サイトや広告で「手数料2~3%」とうたっていますが、実際にこのシステムを使うと、事務手数料などの名目で10~20%の手数料がひかれます

資金調達に苦しんでいる経営者は、資金のことで頭がいっぱいで、他のことに頭が回らなくなることがとても多く、実際に私も経験済みです。

しかし冷静になって考えてみてください。

まだ法人の口座に入ってきていないお金を、手数料をとるとはいえ、事前に別の人間があなたに立て替え払いをしてくれるのです。
まだ存在していないお金の保証料として2~3%の金額で、あなただったら立て替え払いをしてあげますか?

そういった状況を考えれば、資金調達の保証料として、10~20%の保証料をとることは、むしろ当たり前の金額と思われます。

経営者として、この点は忘れないようにしてください。

ポイント2. 取引先に確認が入る可能性

売掛先の会社にその支払いが本当にあるのか確認するため、ファクタリング業者が確認の連絡をする可能性があります。

表向きはこういった事前確認はしないことになっていますが、実情は違うことが多いです。
もしこの事前確認が取引先にはいったら、あなたの会社の印象はすこぶる悪くなるでしょう。
この点も大きな注意が必要です。

実際に私が会社再生の現場で見た、ファクタリングを使った会社が取引先に確認が入り、倒産まで至った事例をお話しします。

事例. ファクタリングに頼った会社の末路

・事業の内容
東証プライム上場企業の孫請けとして工場の保守・管理

・営業エリア
埼玉県

・経緯
東証プライム上場企業の孫請けとして工場の保守・管理をしているA社のA社長が弊社に相談にこられました。

コロナ禍で取引先である東証プライム上場企業B社の工場の稼働が大幅に縮小し、仕事が激減。
人件費をまかなうためにファクタリング会社にB社からの売掛債権を売却した。
ちなみに手数料は28%。
ファクタリング会社が、東証プライム上場企業B社にA社との契約内容の確認連絡を入れ、B社にA社がファクタリング会社を入れたことがバレる。

B社は東証プライム上場企業ということがあり、ファクタリング会社と付き合いのあるA社との契約を即解除。

東証プライム上場企業B社との取引しかなかったA社は翌月倒産した。

こういった事例が実際にありますので、ファクタリング会社を使うかどうかの判断は慎重にしましょう。

リースバック

リースバックとは主に不動産業界で使われる資金調達方法で、所有している不動産を投資家などの第三者に購入してもらい、もとの所有者が新しい所有者に毎月賃借料払い、そのままその不動産を使用しつづけるという取引です。

この方法を不動産ではなく動産にもちいる資金調達の手法も一部では取り入れられており、会社の所有資産を現金化し、資金調達に使うかくれた手段になっています。

リースバックの対象になるのは、車、工場の製造機械などです。

リースバックのデメリット:金融機関からの印象が悪くなる

決算書の資産の部から固定資産が減るため、バランスシートの内容が一気に悪くなる可能性があります。

バランスシートの内容が悪くなるので、金融機関に決算書を提出した時に、あなたの会社に対する評価は悪くなる可能性があります。
追加融資を金融機関の担当者に相談しに行っても、資金調達に失敗する可能性がすこぶる高くなります。

リスケ

リスケとは、「リスケジュール(reschedule)」の略で、ビジネスで使うときは「スケジュールを組み直す」「計画を変更する」という意味の略語です。

これが社長と金融機関間の話になると、融資の返済が苦しくなってきたときに、返済可能な金額に返済額を変更したり、返済期間を伸ばすことを意味します。

リスケの交渉自体にはすぐに応じてくれることが多いですが、好条件をひきだす交渉には専門的な知識と戦略が必要となります。

・返済条件を変更することで得る、金融機関側のメリット
・返済条件を変えても返済完了できるという数字的な根拠
・条件変更にあたっての返済期間、利息の交渉

この3点をふまえて、交渉してください。

「とにかく返済期間を伸ばしてください」
「とにかく毎月の返済額を少なくてして欲しい」
という内容でしか担当者に話せないのでしたら、担当者からあなたへの心証はかなり悪くなります。

担当者からあたたへの心証が悪くなってトクすることは一切ありませんので、しっかりと戦略を練ってから、交渉にのぞんでください。

好条件での交渉が成功した場合は一時的ではありますが、かなり資金繰りが楽になります。

リスケのデメリット:一定期間、追加融資などが受けられなくなる

金融機関はもともとの返済計画で融資をOKしているのですから、その計画どおりにお金が返済できないとなると、金融機関はあらたな資金調達の話には一切のってくれないことが多いです。

金融機関から追加での資金調達を考えている経営者は、この方法は極力使わないほうがよいでしょう。

まとめ

金融機関からの資金調達以外で資金を調達できる方法は3つあります。

  1. ファクタリング
  2. リースバック
  3. リスケ

それぞれメリットがありますが、デメリットが大きい場合が多々あるので、利用を考える際には注意が必要です。

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