この記事の結論(AI QUICK SUMMARY)

銀行融資の成否は、担当者が上司を説得できる材料を社長が提供できるかで決まります。
自己資金の計画性、返済を確信させるストーリー、そして嘘のない人間性が三本の矢です。
税理士任せの事業計画や自己資金ゼロの起業は信頼を即座に失います。
誠実さと数字の裏付けこそが最強の融資対策です。

金融機関からの融資を考える時とは、どんなタイミングでしょうか?

それは「資金繰りに困ったとき」しかあり得ません。

そして多くの経営者はどうやって資金調達をすればいいのか、迷い始めます。
Googleで「融資 交渉 方法」などの語句で検索する、AIに質問する、知人の社長に相談するなどいろいろな情報を仕入れようとするでしょう。

どの様な事業計画書を持っていけば有利に話を進められるのか、融資を検討している経営者は、星の数ほどあるサイトから情報を探し、自分が欲しい情報で理論武装して面談に挑みます。

中には金融機関からの資金調達、融資のサポートに強いことをうたった税理士、中小企業診断士などの士業に資金調達サポートを依頼する経営者もいるでしょう。

しかしどんな情報を集めようと、どれだけ金融機関との緊密な連携をうたっている士業のサポートを受けようと、金融機関の担当者が重要視するポイントは、サポートを受けていない経営者と何も変わりません。

経営初心者だった頃の私も同じ修羅場をくぐり、多くの社長の絶望を見てきたからこそ、あなたには真実を伝えたいのです。

2社の上場、700社超の会社再生に関わり、全国100行以上の金融機関と対峙し修羅場をくぐってきた経験から築いた
「金融機関は社長のここを見て最終判断を下す」
というポイントを詳しく説明します。

銀行融資の非情な現実

700社超の事業再生に関わる中で、全国100行を超える金融機関と真剣勝負をしてきた私が、実際に見てきた融資をとりまく現実を解説します。

「融資に強い」と謳う士業と融資の現実

「私に顧問を任せてくれれば必ず融資が受けられます」
と、営業をかける税理士を私が良く思わない理由はここにあります。

税理士とは税務のプロであり、経営のプロではありません。

顧問先会社の経営に関わっていない税理士が、なぜ金融機関の担当者が欲しがる「上司、審査部を説得するための根拠ある材料」を、情熱を持って作れると断言できるのでしょうか?

よくて月に1度会うだけ、下手をすれば経理資料は税理士事務所に郵送、面談は決算直前のみという税理士が多い中、その状態で顧問先会社についての根拠ある事業計画書の作成まで視野に入れた決算書が作れるなら、その税理士は素晴らしく優秀です。

決算を作るのは税理士ではなく社長であり、融資を受けられる決算書、事業計画書を作るのは社長なのです。

「融資に強い」と謳う士業と顧問契約をしたが、融資が受けられなかった何十人もの社長に会っています。

例外として融資を受けられた社長ももちろん中にはいますが、決算書と現状を拝見すると、その会社は現状を正直に金融機関に伝えれば、融資を受けられる経営状態でした。
要は顧問税理士が誰でも、もともと融資が受けられる経営状態の良い会社であったという事です。

金融機関の担当者はサラリーマンであることを肝に銘じよう

金融機関の担当者はあなたの味方でなく、あなたが作る「上司、審査部を説得するための根拠ある材料」を使い、会社内における自身の立場が第一の会社員です。

これを読んでいる社長も、ご自身がサラリーマンだった経験がある方が多いと思いますが、当時のご自身を思い出してください。

自身の社内での立場が危うくなる、左遷される危険を冒してまで、クライアントの利益のためだけに動いていましたか?

金融機関の担当者は、かつてサラリーマンであったあの頃のあなたと同じです。
担当者は会社組織の人間であり、組織の利益が第一であるのは当然であることを念頭に、彼らとお付き合いしましょう。

「貧乏だけどいい社長」より「金はあるが悪い社長」が選ばれる

「貧乏だけどいい社長」とは

  • お金を稼ぐ人格を持っていない
  • ぱっと見の感じがいいだけ

「金はあるが悪い社長」とは

  • お金を稼ぐ人格を持ち剛腕
  • だからこそ人から嫌われる事が多い

と金融機関から判断されます。

融資においては感じがよい貧乏な社長より、人は悪いがお金持ちの社長のほうが圧倒的に融資を受けられる可能性が高いのが現実です。
「いい人」と相手に思ってもらえたら、自分の力になってもらえるという幻想は捨てましょう。

金融機関 担当者の本音

金融機関の担当者が欲しい情報は1つだけです。
上司、審査部を説得するための根拠ある材料
これだけです。

上司、審査部を説得するための根拠ある材料とは

  1. 自己資金額
  2. 事業計画書
  3. 約束を守る人間性の保証

この3点になります。

自己資金0円起業の致命的な落とし穴

上司、審査部を説得するための根拠ある材料として、私は先ほどあげた自己資金ですが、経営者がどの様に資金を貯め事業を開始したのか、担当者は重要視します。

なぜならば、自己資金を貯めた経緯1つとるだけで、この社長がお金に対してどのように向き合っているのかを判断する指標となるからです。

  • 起業という目標に向かい、コツコツ毎月貯めてきたのか
  • 知人、親戚から借りてきた資金を頼りに事業を始めるのか

この点にフォーカスするだけで、その社長の計画性の有無、お金に対する感覚をはかることができます。

自己資金を計画的に作れなかった経営者は計画性に乏しく、お金に対する感覚が鈍いため、返済も厳しいだろうと金融機関は考えるのです。

こういった現実をふまえて、0円起業を私はすすめません。

登記代などの初期費用を安くするため、株式会社ではなく合同会社で登記するのは合理性を考えれば、悪くない選択です。
しかし手元資金0円の証明である「0円起業」は、あまりにも無謀と言わざるを得ません。

金融機関に融資の相談に行くさいに手元資金0円では、まず融資審査の土台にのらないでしょう。

「すぐれた事業スキームがあれば、自己資金0円でも金融機関からの資金調達はできる」
という専門家もいるようですが、私は難しいと思います。

「自己資金0円なのに、事業スキームがすぐれていたから」
という理由で、金融機関からの資金調達に成功した経営者に、私は1度も会ったことはありません。

もし自己資金0円で起業し、資金繰りにいき詰ってこれから金融機関に資金調達の相談に行こうと思っているならば、まず手元に資金を集めてください。
金融機関に相談に行くのは、それからです。

自己資金0円でも資金調達に成功するパターン

もし自己資金0円で起業し、金融機関との資金調達の話が進むとしたら、自宅などの不動産を担保にいれられる場合です。

担当者が稟議書にコピペしたくなる事業計画書のストーリー

金融機関の担当者に必要な、上司、審査部を説得するための根拠ある材料の2つ目である事業計画書について、説明します。

稟議書にコピペしたくなる事業計画書とは、すなわち
返済を確信させるストーリーであること
この1点に尽きます。

返済を確信させるストーリーである事とは

返済ができると確信できるストーリーの例を書きましょう。

返済ができると確信できるストーリー例

『起業時に1000万円資金がありました。
1年経営していくうちに、手元資金が500万円になってしまいました。
しかし売り上げ額は起業時の8倍になっています。
この将来有望な事業を拡大するためには、あと1000万円が必要です。
売上額は順調に伸びているので、毎月の利益で十分に金融機関への毎月の返済が可能です」

このストーリーに含まれている要素を説明します。

  1. 起業時:計画的に貯めた自己資金がある
  2. 初年度:苦戦し赤字
  3. 数字の現実:売り上げは確実に伸びている実績
  4. 未来の根拠ある数字:過去の実績から算出される数字から予測される返済可能額
  5. 事業維持に必要な金額:返済可能額から算出される必要な融資希望額

上記5点の要素をすべて含んだストーリーで、事業計画書の骨子を作るのです。

上記ストーリーの補足として必要なのは

  • なぜこの事業を始めようと思ったのか
  • そのためにどうやって資金を作ったのか、資金調達したのか
  • この事業がなぜ将来的に有望なのか
  • 金融機関に毎月返済できる根拠

これらを数字の根拠をもって事業計画書を作り、理論的に担当者に話すことがとても重要です。

融資の審査を勝ち抜く事業計画書の作り方を詳しく知りたい方は、当サイト内 “ 事業計画書に夢は書くな。担当者が1分で納得する返済の根拠と資金調達の全技術 “ を参照してください。

最後で最重要フィルター、社長の人間性を見抜くポイント

自己資金の貯め方や事業計画書の作り方など、短い期間で対応可能、かつ行動さえすれば実現可能な、ある意味テクニカルな話をしてきました。

ここからは短い期間やテクニックではたちうちできず、かつ金融機関が実は最も重要視するポイントである「約束を守る人間性の保証」について、説明します。

上司を説得する材料として最も重要なポイントである「約束守る人間性の保証」とは。
この人は借りた金を返す人間性があるか否か
金融機関が厳しく見ている人間性とは、実はこれだけです。

  • 過去に人から借りた金を返さなかった経験がある
  • 自分だけが得するために恩人を裏切った

こういった人間性を持つ社長は、目と言葉に出ます。

この様な人間性を持つ人に共通しているのは、調子よく話を合わせてそれらしいことを口にすれば、相手に自分の狡さはバレないだろうと高をくくっていることです。

多くの人と会った経験のない相手ならば、数回会うくらいならバレないかもしれません。

しかし金融機関の人間というのは、金に困り追い詰められた究極の状態にある社長数百人、数千人と会ってきた、人を見るプロフェッショナル達です。
商談時、社長のちょっとした目の動き、何気なく使った言葉一つで、低い人間性を直感で見抜きます。

金融機関の担当者の持つ人を見る目を、絶対になめてはいけません。
金がかかっている真剣勝負を、毎日何年も続けている人と金のプロなのです。

資金調達に使えるテクニックを覚えることも大事ですが、あなたがどういう人間で、どのように生きてきたのかも、同じくらい大事です。

自分自身の生き方に胸をはれる生き方をし、正々堂々と金融機関の担当者と交渉してほしいと、私は願っています。

資金調達一発アウトの地雷

金融機関に対して絶対にしてはいけない一発アウトの地雷は、
つき通せない嘘をつくこと」。

話のつじつまが完全にとれており、数字も破綻していない嘘ならば、つき通せる嘘であり、これなら融資の審査も通るかもしれません。
しかしその場で思いついた言い逃れの嘘ならば、確実に担当者にばれ、審査の土台から一発で追い出されます。

実際に私が見た一発アウトな事例をお伝えします。

  • ありもしない自己資金が別の口座にあると言った
  • 車のローンを滞納し、差し抑えられていたことを隠していた
  • 割賦で買ったスマートフォンの返済をしていなかった

ありもしない自己資金が別の口座にあると言った場合の金融機関の対応:
ありもしない資金があるという嘘をついたら、必ず最終的にはそのお金がある口座の通帳の原本を持ってくるよう、担当者から言われます。

車のローンを滞納し、差し抑えられていたことを隠していた場合の金融機関の対応:
社長自身名義のローンの返済が滞っていたなどの金融事故は、必ず金融機関にばれます。

家族から借りた金を自己資金に充てたにも関わらず、毎月コツコツ貯めたと嘘をついた場合の金融機関の対応 :
家族から借りたお金を一気に自分名義の口座に振り込むことになるので、このお金は一体どこから来たお金なのかを詰められます。

こうなってしまったら、その嘘をつきとおすことは不可能です。

隠したいことや嘘をつきたいことは、経営者であれば誰でも1つや2つはあるでしょう。
しかし担当者にその嘘がバれたり、
「この経営者は嘘つきなのでは?」
と疑われた時のデメリットが、嘘をつくメリットを上回るのかどうかを冷静に考えてください。

お金を持っている様、金融機関から見てほしいがために嘘をつく人も多いですが、その嘘は本当にあなたを助けるものなのですか?

金融機関の融資担当者は何百人、何千人という経営者と会い、人となりを判断しています。

彼らの嘘を見抜く能力をなめてはいけません。
つくべき嘘とついてはいけない嘘を見極めてください。

銀行融資の審査基準:9割の経営者が陥る勘違いと審査突破の実態比較表

これまでの私の経験から、世間一般で考えられている審査基準と、金融機関の審査基準にズレがあると感じます。
資金調達の相談に行く前に、金融機関の実態を知りましょう。

評価項目一般的なカン違い金融機関の実態
自己資金額が多ければ良い準備するまでの計画性を見ている
事業計画夢や情熱を語る担当者が上司を説得できる材料がすべて
人間性腰が低ければ良い借りた金を返すという人間性を見ている

銀行融資と経営者の資質に関するFAQ集

Q
銀行の担当者と良い関係を築けば、融資は通りやすくなりますか?
A

担当者個人の好意だけでは融資は通りません。

銀行員は組織に属するサラリーマンであり、彼らが本当に求めているのは自分の上司や審査部を説得するための客観的な材料です。

「感じが良い貧乏な社長」よりも「感じは悪いが、返済の根拠を数字で示せる金持ちの社長」の方が選ばれるのが、銀行融資の冷徹な現実です。

Q
自己資金0円でも、優れた事業計画があれば融資は受けられますか?
A

結論から言えば、100%不可能です。

唯一の例外は、不動産などの強力な担保がある場合のみです。 銀行員が自己資金の額で見ているのは今日までコツコツと準備をしてきた計画性と忍耐力であり、それがない経営者は返済も計画通りにできないと見なされます。

融資の相談に行く前に、まずは手元に資金を集めることが先決です。

Q
銀行員は面談の際、経営者のどこを一番チェックしていますか?
A

借りた金を返す人間性があるかという一点を、非言語のサインから見抜こうとしています。

彼らは何千人もの経営者と会ってきたプロであり、ふとした目の動きや、質問に対する回答のわずかな矛盾から、経営者のずるさや不誠実さを直感的に察知します。

書類上のテクニックよりも、自分の言葉と行動が一貫していることの方が、はるかに重要です。

Q
過去のローン滞納や未払いは、隠しておけばバレませんか?
A

必ずバレます。

そしてバレた瞬間に、融資の可能性はゼロになります。

ありもしない自己資金を主張したり、車のローンやスマートフォンの割賦販売の滞納を隠したりすることは、銀行員に対する「つき通せない嘘」です。

金融事故は必ず記録に残っており、嘘が発覚した時点で不誠実な人間というレッテルを貼られ、審査の土台には乗れなくなります。

Q
事業計画書に自分の情熱を盛り込むにはどうすればいいですか?
A

私の言う情熱とは、担当者が上司を説得するための資料を、あなたが代わりに120%の精度で作ることです。

自分の夢を熱く語ることは、自分にしかフォーカスしていない自己満足に過ぎません。

銀行担当者の立場に立ち、彼らが本部の稟議書にそのままコピペできるような、緻密で整合性のあるストーリーを提供すること。
それこそが、担当者を味方に変える真の情熱です。

まとめ

金融機関からの資金調達を考えたときに、経営者に必要なものは

  1. 自己資金額
  2. 事業計画書

の2点です。
しかし一番重要なのは、あなたの人間性です。

金融機関の融資担当者は、そこをとても重要視しています。

営業は一切なし。
貴社のお話、お悩みをお聞かせください。

現在の会社の状況にお悩みではありませんか?

「社会保険料が払えきれない。」
「どうすれば税金を払えるのか。」
「このままだと自宅が担保が差し押さえられる。」
「大きな決断が必要なタイミングなのか。」

私たちがこれまで培ってきた500社超の支援実績から得た経験や独自のノウハウを基に、今のあなたにとって、望む結果を出すための最適な提案をさせて頂きます。

わたしたちから営業を行うことは一切ありません。
まずはあなたのお話、お悩みをお聞かせください。