この記事を読んでいる方は

  • 事業計画書をどのように書けば融資の成功率が上がるのか?
  • 書いてはいけないNGな内容とは?
  • 売上予測などの数字はどの様に作ればいいのか?

など事業計画書作成の考え方や作り方にお悩みなのではないでしょうか。

悩むのは当然だと思います。
自分の人生をかけて会社を経営している中で、資金調達を考えないといけない局面というのは2つしかありません。

  1. 事業を拡大させるための資金調達
  2. 現在の事業の数字があまりおもわしくないため、運転資金調達のための融資

事業を拡大させるための資金調達でしたら、事業計画書は比較的作りやすいと思います。
売上などの数字が実際に伸びているのですから、数字の作り方も夢があるし3年後の予測もたてやすいでしょう。

しかし現状が思わしくなく当面の運転資金調達のための融資ですと、話は全く別です。
事業計画書の作り方を間違え、金融機関から融資NGがくれば、もしかしたら倒産が視野に入るかもしれないのです。

そのような状況でしたら、確実に金融機関の審査の土台に上がれる事業計画書の作り方を知りたい!と切実に考えられることでしょう。

ここでは現在の事業の数字があまりおもわしくなくても、金融機関の審査の土台に確実に上がれる事業計画書の考え方、作り方を説明します。

なぜ金融機関の審査の土台に確実に上がれると私が断言するのかといえば、私は2社の上場に関わった経験を持ち、全国の金融機関と交渉してきた経験を持つ、経営不振の会社の再生を専門に行う事業再生コンサルタントだからです。
私がこれまでの経験で作り上げた現場目線での事業計画書についての考え方、作り方をこれから説明します。

事業計画書とは “ 人の心を動かし納得させるための書類 “

人の心を動かし納得させる文章、書類とはいったいどのようなものでしょう?
人の心を動かすとは、自分の思い、考えに相手が共感してくれる事だと私は考えます。
相手を納得させるとは、理論的な数字をもって根拠あるストーリーを相手に提示し、腹の底から納得してもらう事だと考えます。
したがって人の心を動かす事業計画書とは、読んだ相手があなたに共感し、数字の根拠ある腹の底から納得できる書類でなくてはいけません。

数字の根拠があるストーリーとは

  • 数字の整合性がとれている
  • いま現在の数字をもとに整合性のある数字で説明されている

事がポイントです。

相手があなたに共感するとは
「うん、このビジネスは社会に必要だ。ぜひあなたを応援したい」
と自然に読んだ人が思える書類であることです。

すなわち資金調達の極意とは、いま現在の数字から導いた将来の数字を相手を納得させ、あなたの熱意が伝わり相手があなたの力になりたいと思ってもらう事なのです。

ではここから現在の数字から導いた、相手を納得させる将来の数字の作り方を説明します。

融資の確度を左右する事業計画書の作り方と考え方

整合性が取れている事業計画書は、数字にしっかりとした根拠があり、論理的に納得できる内容のものです。

現在の数字から導く将来の売上予測など数字の作り方

事業計画書に書くべき数字の作り方、考え方を説明します。

数字に整合性がある事業計画

数字に整合性がある事業計画例

●ターゲット
40~60代の女性

●マーケット規模
〇〇区に住む40~60代の女性は5万人。
類似商品を購入している人は全40~60代女性の5%。
〇〇区の潜在ターゲット数は5万人×5%=2,500人。

●単価
類似商品の平均単価は12,500円/月

●想定顧客数
〇〇区のターゲット層の30%を弊社の顧客とすることを想定。
〇〇区のターゲット人数2,500人×30%=750人。
年で750人を獲得することとする。

●顧客獲得ペース
750人÷36か月=20.83人/月

●1月分の運転資金
人件費40万円、家賃15万円、仕入25万円、広告費10万円、雑費10万円 合計100万円

●1月分の収入
20.83人×12,500円=260,375円

●損益分岐点
パターンA 順調に集客できた場合 100万円÷260,375円=3.84か月
パターンB 集客ペースが想定の50%だった場合 100万円÷130,187=7.68か月

●不足運転資金額
パターンAの場合 1,437,750円 
パターンBの場合 3,354,764円

●融資申込額
最悪の状況を想定して資金繰りを考えた方がいい。
パターンBで状況が推移することを想定。
よって、335万円と予備費で計算し
500万円で融資申し込み

数字に整合性がない事業計画例

●ターゲット
10~60代の女性

●マーケット規模
分析していない

●単価
私の肌感覚で多分5,000円くらいのはず

●想定顧客数
根拠はないけど月50人ずつのペースで増える想定

●顧客獲得ペース
根拠はないけど多分1年で損益分岐点を超えるはず

●1月分の運転資金
人件費40万円、家賃15万円、仕入25万円、広告費10万円、雑費10万円 合計100万円

●1月分の収入
50人×5,000円=250,000円

●損益分岐点
なんとなく100万円

●不足運転資金額
根拠はないけど500万円くらい欲しい

●融資申込額
だから500万円で申し込む

上記のようなふわっとした事業計画書を持ち込み、熱意が感じられない経営者では、自宅を担保にいれるとしても、担保価値以上の融資を受けることは難しいでしょう。

売上予測の根拠となる数字の集め方

事業計画書にのせる数字(例 ターゲットエリアの住民数、エリア内のターゲット層の人数、ターゲット層の平均年収など)の集め方を紹介します。

数字は公共性の高い資料から集める

これらの数字は、なるべく公共性の高い資料から集める方がよいでしょう。

男女別の平均寿命を知りたいなら、厚生労働省が出している資料になりますし、サラリーマンの就業状況、職業への意識を知りたいなら、中小企業庁が出している資料になるでしょう。

アンケートした人間の人数が100人ほどで、有名ではないネットリサーチ会社の調査結果の数字を見ても、客観性が低いので金融機関との資金調達面談時の説得力は落ちます。
厚生労働省が出している数字と、名もないネットリサーチ会社が出している数字では、どちらを人はより信用するのでしょうか。

当然前者になりますよね。

しかしドンピシャな調査結果の数字というのは、なかなか見つからないものです。

ぴったりなアンケート結果がない場合

省庁がとっているアンケート、集計で “ 夏タイヤと冬タイヤの交換をショップに依頼する時に、どんな点を重視してショップを選ぶのか? “ などというニッチな内容はまずありません。

しかし信頼がおけて使える数字が載った集計結果がないとなると、どうやって将来の数字の予測をたてればよいのでしょうか?
そういった場合の対応方法を説明します。

“ ターゲットとする人物像:健康に対する意識が高い30~40代女性 “
とした場合、Google検索で「健康に対する意識が高い30~40代女性 人数」と検索しても、官公庁が発表している調査結果は出ないでしょう。

そうした場合の時は、発想の転換をしましょう。

  1. 健康に対する意識が高い30~40代女性はどういったライフスタイルなのか、想像する

  2. 健康に対する意識が高い30~40代女性は、健康関係に関する支出額が高い

  3. 収入が高い、もしくは自分の自由に使えるお金が多い女性でないと、多額のお金を衣食住と関係のない「健康関係」にお金をそんなに使えない

  4. 収入が高い=年収500万円以上
    自由に使えるお金が多い=親と同居している独身女性

の人数を調べる、という流れで考えるのです。

あとはインターネットでターゲットエリアの市区町村が公開している資料を探してもいいですし、図書館に行けばその市区町村に関するデータを集めた書籍は置いてありますので、そこに行って調べてもいいでしょう。

審査で重要視されるポイント

700社以上の会社再生に関わる中で、何百社もの融資の状況、現状を現場で見てきました。
その経験から考える、最近の金融機関が融資を検討する際に重視しているポイントを、重要な順で上から書きます。

  1. 決算書の内容(BS、PL)
  2. 過去数年の業績
  3. 業種・業態

決算書の内容について

BSは資産の有無、債務超過ではないか
PLは利益が本業できちんと出せているか

を金融機関は見ています。
他にもネット上には様々な情報がありますが、この2点を抑えておけば、まず間違いありません。

過去数年の業績

会社の経営状態が右肩上がりか、安定基調かを見ています。

業績がよい、もしくは安定している会社にお金を貸したいのが金融機関ですが、ふつうに考えれば、運転資金が足りないから資金調達を考えている経営者がほとんどだと思います。

そういった右肩下がりの場合の考え方ですが、将来の事業計画がきちんと練られており、回復の見込みがあるかどうかで、金融機関は判断しています。

くれぐれも数字に根拠なく、いま1000万円足りないから2000万円貸してくださいという様なレベルで、金融機関に融資の相談に行かないようにしましょう。
お付き合いNGを喰らう可能性大です。

業種・業態

いまはやりの業種、業態の会社は、比較的高額な融資を受けやすいと感じます。
最近ですとAI関係、太陽光発電・バイオマスなどの再エネ関連事業でしょうか。

こういった会社は、実力以上の融資を受けているパターンが多く、返済できるならいいのですが、AIも再エネも投資以上のリターンが見込めないという事をマーケットが気付きつつあります。

融資を受けたはいいですが、借りた金で役員報酬や人件費を払い続け、想定していた売り上げが立たず、借りた金が尽きて倒産というパターンを最近はよく見ます。

融資が受けられればビジネスが成功するわけではありません。

あなたの人生を賭けて事業を行うのですから、夢を追うだけではなく、しっかりと利益が出せる業種、業態にしましょう。

担保があれば話は別

上記の話は、担保を入れない前提での融資の審査ポイントです。
あなた名義、家族名義の土地建物などの担保を入れるならば、話は変わってきます。

担保価値3,000万円の不動産を担保として入れるなら、最低でも同じくらいの金額の融資が受けられるでしょう。
担保をいれてくれるなら、例え返済ができなくなったとしても、担保を売れば貸した金額分が貸した側に戻ってきます。

金融機関としては貸した金が戻ってくるなら、それで問題ないのです。

担保と融資の関係
担保と融資の関係

まとめ

  • 事業計画書とは人の心を動かし納得させるための書類
  • 数字に整合性がある事業計画を作ることが重要
  • 売上予測の根拠となる数字は公共性の高い資料から集める
  • 審査で重要視されるポイントは
    決算書の内容(BS、PL)
    過去数年の業績
    業種・業態

以上になります。

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