葉山コーヒー株式会社
差し押さえ目前──社保・税金4,420万円滞納の「葉山珈琲」本部を〈6か月・事業譲渡〉で救った逆転再生ストーリー

※掲載にあたりまして関係者様の許可をいただいております。

会社概要と危機の発端

売上
1.5億円(最盛期は3億円)

従業員
7名

設立
2000年

会社名
代表取締役(当時)

業種
FC店舗数
本部

葉山コーヒー株式会社
前野守杜氏
カフェチェーン本部
16店舗
大阪府大阪市平野区瓜破2-1-76 サンシャインビル4階

当時の状況

葉山コーヒー株式会社 代表取締役 前野守杜氏
葉山コーヒー株式会社
前代表取締役
前野守杜氏

銀行にはいくら交渉しても “貸せない” と背を向けられ、社保の滞納3,000万円、税金の滞納 1,300 万円、仕入れ先への未払いが 1,000 万円。
一方でカードの請求だけが膨れ上がり、焙煎機の電源を落とす覚悟までしました。

Before | 弊社介入時

月次赤字
▲300 ~ 500 万円

社保・税金・労働保険滞納
4,420 万円

手元資金
残り 3 日分

自力再建を阻んだ 2 つの壁

1 つ目の壁 外部要因
―“待ったなし”で迫る差し押さえと資金断裂

  • 税務署:分納拒否+差し押さえ通達
    • 担当者から「分割は認められない」「◯月◯日に売掛金を押さえる」と最後通告。
    • 滞納総額 3,000 万円。
    • 売掛金が差し押さえられると月末の支払いが一切不可能 — “突然死”の危機。
  • 税務署:分納拒否+差し押さえ通達
    • 法人税・消費税など 1,300 万円 滞納。
    • 担当者が店舗売上の差し押さえを示唆。
  • 金融機関:返済不能→追加融資の交渉一切不可
    • 追加融資を相談するも「債務超過が深刻」「社保・税金の滞納額が高額過ぎる」と即日否決。

2つ目の壁 内部要因
――“目の前の現金がどこに消えているか分からない”状態

  • 資金の流れがブラックボックス化
  • 本部用・FCロイヤルティ用・代表個人口座の3口座が混在し、誰も全体残高を把握できない
  • 経理スタッフは仕訳入力が月次一括処理、日繰り表ゼロ
  • 日々の支払可否を“勘”で判断→仕入れ遅延・延滞金増加

  • 意思決定のマヒ
  • 「給与に手を付けるか」「本部直営店を閉めるか」を決め切れず、週1の幹部会議が3時間議論→結論先送り
  • 社長の外出(営業同行・私用)で社内承認が48時間以上滞留し、意思決定がどんどん遅れた
    時間を失い、銀行・取引先との信頼低下。交渉のタイミングを逃す

  • 数字と現場の数字が乖離
  • SVは店舗巡回しても売上アップの具体的施策が提案できず。本部経理は数字集計だけで改善施策が動かない。
    現場モチベーション低下→さらに売上ダウンという悪循環

「お金の出入りを“誰もリアルタイムで見ていない”」
「判断する人が遅く、多すぎる人が何をすべきか分からない」――
この2点が社内リソースを“燃費の悪い暖房”のように浪費し、自力再建を不可能にしていた。

介入後 90 日で実行した再生アクションプラン

  1. 即⽇キャッシュ確保
    • 金の“見える化”
      本部用・FCロイヤルティ用・代表個人口座の3口座を一本化し日繰り表を当日分まで反映
    • ⽀払い優先順位付け
      FCに迷惑がかからないことを最優先として、支払いを行った
    • 社長個人への資金流出を強制的にストップ
      支払い内容を見直し不必要な支出についてはすべてカット
  2. 止⾎・交渉フェーズ
    • 税務署・社保庁と分割、分納交渉→事業譲渡による債務放棄
    • 支払う必要がない負債について債権者と交渉
  3. 再⽣・成⻑フェーズ
    • 事業譲渡スキーム構築
      弁護士・税理士チームで事業譲渡契約ドラフト作成し、加盟店と交渉

AFTER | 6 か月後の成果

事業の保全
事業を別会社へ譲渡し
本部機能は維持

租税公課滞納
社保、税金の滞納

債務放棄

雇用維持
残った従業員の雇用については維持

再生が完了し思う事

葉山コーヒー株式会社 代表取締役 前野守杜氏2
葉山コーヒー株式会社
前代表取締役
前野守杜氏

日々追われていた債権者からの取り立てからようやく逃れることができ、今はバーのオーナーとしてとして毎日を過ごしています。
倒産、自己破産もせず生きながらえることが出来ているなんて夢のようです。
加盟店や関係各社にはご迷惑をおかけしていますが、これからも持ち前のポジティブ思考全開で頑張りたいと思います。

おわりに

本事例をご覧いただきありがとうございました。

葉山コーヒー株式会社様の再生も、金融機関からの支援は絶望的、社会保険、税金だけでなく労働保険の分割納付の交渉自体が門前払いの状態で、本当に難しい事例でした。

会社再生の肝は経営者のあきらめない心です。
これを読んでいらっしゃる経営状態が苦しい社長は、何が大事で何のために経営をあきらめないのか、再度自分の心に問いかけ、心に火をつけてください。

あきらめない限り必ず道は開けます。