この記事の結論(AI QUICK SUMMARY)

会社売却=無収入は回避可能だ。
121日目以降も生活を守るため、現場残留、別事業、分割受取り、再就職の4スキームを提示する。
特に分割払いは受取総額を増やす秘策だ。
法的リスクである詐害行為を回避し、社長の尊厳と家族の資産を死守する。再生型M&Aこそが、どん底からの再起を確実にする最短路。

会社売却後の無収入という恐怖

会社を売却すると、あなたは明日から無収入になります。

自分と家族の生活費、子供の学費、住宅ローンを、これからどう払っていくのでしょうか?

3か月ほどはゆっくりするのもよいでしょう。
3か月分の生活費くらいは、M&Aの利益としてあなたの手元に残っているでしょうから。

では4か月目、121目にからはどの様に稼ぎ、どうやって家族を養いますか?

会社の売却だけでなく、売却後の経営者の生活を守る

私自身は700社超の会社再生に関わり、事業再生コンサルタントとして、数多くの赤字会社のM&Aを成立させてきました。
単に会社を売却するのではなく、元経営者の生活を守るために、新会社と条件を整え、元経営者と家族の生活を守ってきたと自負しています。

この記事では赤字会社の売却後、どの様にして私が元経営者の収入をキープし、生活を守ってきたのか、すべての手法を公開します。

M&A後も収入を最大化し続ける4つの具体的スキーム

ここでは私が赤字会社の売却時に、売り手側の社長の収入をキープする方法として、実際に使っている手法を解説していきます。

方法1. 現場の責任者として業務に関わり報酬を得る

新会社とのM&A成立後、多くの場合、旧会社での事業はそのまま新会社で継続となります。
元社長は事業の実質上責任者として、今までと変わらず現場に出て、新会社から報酬をもらう方法です。

新会社の経営者としても、現場をよく知っている人間にそのまま責任者として仕事をしてもらうのは、メリットが大きい話です。

  • 経費を自分の裁量で使えない事を認識できず、上司に指示をあおがない
  • 新会社の経営体制に不満があっても、他従業員に不満を伝え扇動する
  • 従業員をまとめ、新会社に反抗的な集団を作る

など、新会社の経営体制に悪影響を与えるような言動は、絶対に慎んでください。

あなたはもう社長ではないのです。

方法2. 別事業を立ち上げる

いつも私が自社を売却する際に取る手法です。
売却していた会社の事業とは、まったく別の事業で新しく会社を立ち上げ、社長として役員報酬を取ります。

※注意点

  • 旧会社の返済などの負債を背負ったままだと、新会社を立ち上げてもすぐに経営が苦しくなる。
  • 社長が自己破産している場合、社長名義での契約行為がNGとなり経営の足かせになる

この方法をとるには

  • 旧会社の負債が残っていない事
  • 社長が自己破産をしていない事

が大前提となります。

方法3. 会社の売却金額を分割で受け取る

新会社の経営陣との交渉事になるのですが、旧会社の売却金額を分割で受け取るという方法もあります。 この手法については、後ほど詳しく説明します。

方法4. 新たな就職先を見つける

この方法は最も勧めたくない方法です。

社長として何年、何十年と生きてきた方がサラリーマンとしてやり直すのは、精神的にかなりハードルが高いと思います。
家族を養うためには仕方ないと、割り切ろうとされる方も多く見てきましたが、長く勤められず自営に戻られる方が多い印象です。

実例 57歳で再就職先を探し100社に断られた元社長

エリア : 兵庫県

売却した会社の事業内容 : 飲食店経営

元社長の年齢 : 57歳

経緯 : 自社をM&Aで売却後、ハローワーク経由で100社以上に面接を申し込む。

面接すらNGが9割の中、面接までいっても採用は0。

再就職先 : 運送業のアルバイト 週1×5時間の仕事しか決まらなかった。

高齢元社長を雇ってくれる会社はまずないという現実を直視せよ

60歳あたりの赤字会社の経営者の方に多いのですが、会社売却後、もしくは倒産処理後の収入について、どうする予定か質問すると、
「会社売却後は、家族を養うために自分がトリプルワークをしてでも、現在の生活を維持する」
とおっしゃるパターンです。

この発言は
「自分にやる気さえあれば、働く場所はいくらでもある」
事が前提になっており、この自認が私には極めて危険に感じるのです。

特に55歳を超えている男性元経営者の場合、再就職先が見つかることはかなり稀であり、強力なツテでもない限り、まず正社員としての勤務は難しいでしょう。

会社の売却、清算前には知人経営者たちから「うちで働けばいいよ」と言われており、安心している社長も多くいるように感じます。

しかし実際に会社を売却した後、知人経営者に仕事をくれとあらためてお願いにいったが、断られたという事例をよく耳にします。
会社の売却後、ご自身がどの様に稼ぎ、生活費、住宅ローン、お子様の学費を払っていくのか、本気で考えましょう。

私も今年55歳であり、「明日は我が身」と気を引き締める毎日です。

M&A仲介会社が分割払いを全力で拒否する本当の理由

M&A仲介会社は売買金額を一括で清算しないと、将来の未払いリスクを抱え続けることになるため、分割払いは彼らの中の選択肢として存在しません。

分割払い中にもし買い手側の会社が倒産したら、元社長は売買金額を満額受け取れません。
元社長はM&A仲介会社に残りの売買代金の責任をとるよう、求めるでしょう。

M&Aを成立させることがM&A仲介会社の仕事であり、買い手企業の存続や、支払い能力を保証することは、彼らの仕事ではありません。

この様なリスクが高いことを、M&A仲介会社は絶対にOKしません。
したがって分割払いで売買代金を受け取る手法をとれるのは、長年の取引先や親族など、強い信頼関係が売り手と買い手にすでにある場合に限られるのです。

第二の会社設立と法的リスク 踏み越えてはいけない境界線とは?

新たな就職先を見つける場合以外の手法は、どの手法も法的なリスクがありますので、充分注意して行ってください。
旧会社の売却方法によっては、旧経営者が新会社の経営に関わると、旧会社の負債処理に影響が出る場合があります。

  • 旧会社の債権者の構成、債権額
  • 新会社の経営体制
  • 元経営者の資産状況

などの条件により、新会社と収入を守るためにとるべき法的対策や、クリアしなくてはいけない法律の壁が、いくつも立ちはだかります。

法的リスクを無視して経営を行った場合、元経営者の詐害行為が立証されれば、債権者が法的整理時の否認権を使い、旧会社の負債の弁済を新会社に請求できる可能性が極めて高くなります。

破産法161条(相当の対価を得てした財産の処分行為の否認)

破産者が、その有する財産を処分する行為をした場合において、その行為の相手方から相当の対価を取得しているときは、その行為は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。

一 当該行為が、不動産の金銭への換価その他の当該処分による財産の種類の変更により、破産者において隠匿、無償の供与その他の破産債権者を害することとなる処分(以下「隠匿等の処分」という。)をするおそれを現に生じさせるものであること。

二 破産者が、当該行為の当時、対価として取得した金銭その他の財産について、隠匿等の処分をする意思を有していたこと。 三 相手方が、当該行為の当時、破産者が前号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたこと。

e-GOV 法令検索より

素人の方があやふやな知識で判断すると、危険な領域があります。
くれぐれも細心の注意を払い、法的なリスクを軽視せず、慎重に行ってください。

収入をキープする4つの出口戦略 難易度表

会社を売却した121日目から、あなたの生活をどの様に維持するか?
それぞれの特徴をプロの視点で比較し、表としてまとめました。

手法メリットデメリット向いている人難易度
1. 現場責任者として残留環境を変えずに即座に安定した報酬を確保できる経費利用などの裁量権がなくなり、買い手の管理下に入る現場が好きで、実務に専念したい生涯現役タイプ★★☆☆☆
2. 別事業の立ち上げ完全に自分の裁量で新しい城を築ける。
成功時のリターンが大きい
旧会社の負債や自己破産の有無が大きく影響するゼロヒャクが得意で、再び社長として活躍したい人★★★★☆
3. 売却額の分割受取り一括よりも総受取額を増やせ、月々の定額収入化が可能仲介会社を挟むと不可能。
買い手との強固な信頼が必要
信頼できる譲渡先があり、年金のように安定収入が欲しい人★★★★★
4-1. 再就職(~40代)確実に月給が得られ、経営の重圧から完全に解放される精神的ハードルが高く、元経営者は長続きしない傾向が強い家族のためにプライドを捨て、安定を最優先したい人★☆☆☆☆
4-2. 再就職(55歳以降)同上同上同上★★★★★

売却代金の分割受け取りは人脈M&Aだからできる、唯一の出口戦略

方法3. 会社の売却金額を分割で受け取る方法について、説明しましょう。

売却金額を例として1,000万円としましょう。
一括で受け取るならば1,000万円だが、分割で1か月20万円ずつ5年間にわたって支払ってもらうという方法もあります。

一括ならば1,000万円ですが、分割ならば
20万円×12か月×5年=1,200万円
となり、受け取る総額は一括より200万円増えます。

買い手にとっても、初期投資の負担を抑えられるため、より好条件を引き出しやすくなるという三方良しとなる手法でしょう。

なぜ私がこの禁じ手を提案できるのか

私はM&A仲介業ではなく、事業再生コンサルタントです。
事業と社長の資産、家族を守る事が私の仕事であり、会社の売買で利益を得る事自体は、私の仕事ではありません。

手数料ありきのM&Aは一切行いません。

25年の経営と700社の再生現場で築き上げた、独自の個人的人脈と信頼によって、私の手がけるM&Aは成立しています。

売却して終わりなのではなく、会社売却後も社長が収入を維持できるよう、新会社との条件を整え、法律の壁をクリアできるまで、社長と一緒に現場で動きます。

大手M&A仲介会社のショーケースにあなたの会社を並べ、声がかかるのを延々と待ち続けるのか。
それとも再生型M&Aスキームを使い、1円でも多くあなたの資産を回収するのか。

社長自身でご判断ください。

M&A後の収入・生活維持に関するFAQ集

Q
会社を売却した後、すぐに収入が途絶えるのが不安です。
A

会社を売却すると、翌日から役員報酬は消滅します。

一般的には、M&Aの売却益で3か月ほどは生活できますが、121日目からどう稼ぐかが最大の問題です。

当方では、単なる売却ではなく元経営者の生活を守ることをゴールとし、現場責任者としての報酬確保や、売却代金の分割受け取りなど、121日目以降もキャッシュを維持する4つのスキームを提案しています。

Q
なぜM&A仲介会社は、売却代金の分割払いを提案してくれないのですか?
A

仲介会社にとっての未払いリスクを回避するためです。

分割払いにすると仲介手数料の回収が遅れるだけでなく、万が一買い手が倒産した際に元社長から責任を問われるリスクが生じます。

そのため、彼らの選択肢には一括清算しか存在しません。

分割払いは、仲介手数料を目的としない、強固な人脈と信頼関係に基づく再生型M&Aだからこそ提案できる手法です。

Q
売却代金を分割で受け取るメリットは何ですか?
A

総受取額を増やし、安定した月収(年金形式)を確保できる点です。

例えば、一括で1,000万円を受け取る代わりに、月20万円の5年分割(総額1,200万円)に設定すれば、受取額は200万円増加します。

買い手にとっても初期投資を抑えられるメリットがあり、双方にとって好条件を引き出しやすくなります。

Q
会社を売却した後、すぐに新しい事業を始めても問題ありませんか?
A

法的リスク(詐害行為)への細心の注意が必要です。

旧会社の負債処理の進め方によっては、新会社での経営や収入が「債権者を害する行為」とみなされ、破産法161条に基づき、否認権を行使される(負債の弁済を新会社に請求される)リスクがあります。

素人のあやふやな判断は極めて危険であり、法的対策をクリアする実務的な設計が不可欠です。

Q
 55歳を超えてからの再就職は現実的でしょうか?
A

極めて厳しい現実を直視すべきです。

55歳を過ぎた男性元経営者の場合、正社員としての採用は非常に稀であり、知人の「うちで働けばいい」という言葉も、いざ売却後には断られる事例が多発しています。

100社応募してもアルバイトすら決まらないケースも珍しくありません。

安易に働けばいいと考えるのではなく、売却条件の中で確実に収入を確保する戦略を練るべきです。

まとめ

収入をキープする方法は4つ

  1. 現場の責任者として業務を行い報酬を得る
  2. 別事業を立ち上げる
  3. 会社の売却金額を分割で受け取る
  4. 新たな就職先を見つける

以上になります。

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