雇われサラリーマンを辞め、俺はとうとう独立して一国一城の主となる。
これで俺もりっぱな社長だから、月収100万円は欲しい。

役員報酬は100万円にしよう!

もしくは税理士に
「去年けっこう利益が出ていますから、社長の役員報酬をあげたほうがいいですね」
と言われ、言われるがままに役員報酬を上げた。

こんなノリで社長であるあなたの役員報酬を決めていませんか?
高い役員報酬は高い社会保険料、年金保険料と背中合わせであることを、理解して役員報酬を決めていますか?

これまで700社超の会社再生に関わる中で、100%出てくる問題が
「高すぎて払えない社会保険料」
「すでに滞納を起こし清算できない額になっている」
問題です。

経営不振の会社で社会保険料の支払いが重荷になっていない会社は、1 社たりともありませんでした。

「社保倒産」という言葉ができるほど、社会保険料の支払いが多くの会社にとって、大きすぎる負担になっているのです。

この記事では具体的な削減テクニックは書きません。

なぜならば安易に公開された抜け道を基礎知識のないまま実行することは、単なる脱法行為となり、最終的に社長ご自身を破滅させるリスクをはらんでいるからです。
しかしなぜあなたの会社が、安くする方法を探さなければならないほど追い詰められたのかという根本原因と、社保倒産から逃れるための基礎知識を提示します。

この記事では

  • 高すぎる社会保険が与える会社、社長への影響
  • 税理士が役員報酬を上げる=社会保険の等級を上げることをすすめる理由
  • 高すぎる社会保険料の等級にした結果、倒産した実例
  • 社会保険料の削減スキームに必要な要素

などを解説し、700社超の会社再生に関わった私が現場で実際に見た現実を公開します。

社会保険料の滞納がすでに始まっていて対処方法が分からない、もしくは今とっている方法で間違いがないのか、もっといい方法を探している社長は、当サイト内 ” 社会保険を払えない会社が無傷で滞納を解消できる具体的手法 ”を参照してください。

なぜ高すぎる社会保険料が発生するのか

売上、利益に対して高すぎる社会保険料が発生している会社を、700社超の会社再生に関わる中で、私は数多く見てきました。
私の経験上、高すぎる社会保険料が発生する理由は3つに集約されます。

社長の考えだけで役員報酬を決定

私は社長だから100万円役員報酬が欲しい。
これまでの生活を維持するには、毎月200万円は必要だから。

こういった理由で会社の売上や利益に関係なく、社長の一存で役員報酬額を決めるパターンです。

社会保険料は利益を生まない固定費の死神

売上や利益を計算せず役員報酬を社長がとるのですから、利益が出ていない会社で社長が役員報酬を月額200万円取っていたら、会社の資金繰りがどうなるか計算してみましょう。

サラリーマンでしたら労使折半で会社と本人で半額ずつの負担です。
しかし経営者の場合は自己負担分が半額といえども、けっきょく自分の稼ぎから払うのですから、全額負担で計算します。

社長の年齢45歳 会社所在地 : 東京の場合

社会保険、介護保険料¥159,850(全額負担時)+厚生年金¥118,950(全額負担時)=¥278,800/月 ¥278,800円×12か月=-¥3,345,600円/年

全国健康保険協会(協会けんぽ)令和7年度東京の等級表から計算

1年で350万円弱を社会保険、年金をとして支払う事となります。

社会保険料を支払うことにより、会社の利益が増えることはまったくありません

会社の利益にならない支払いを年間350万円弱行うことは、会社の経営にとって大きな負担になります。
利益を1円も生まない固定費に、あなたはいくら払いますか?

税理士が役員報酬を上げさせる

「去年の売上がかなり上がっていますね。社長の役員報酬を上げましょう」
このセリフに覚えはありませんか?

税理士は売上が上がると安易に役員報酬を上げることをすすめる傾向が強いと私は断言します。
なぜならば、私が何度もこのセリフを何人もの税理士に言われてきたからです。

「利益が出過ぎたからどうする?」
と顧問税理士にすると、まずこの提案がされると言っても過言ではありません。

ではなぜ税理士は役員報酬を上げることをすすめるのでしょうか?

役員報酬が増えた方が社長は喜ぶから

社長の努力で売上が上がったのだから、その分あなたが取るのは当然の権利でしょう?という発想です。

役員報酬が増えれば喜ぶ、そして喜ばせておけば顧問契約を切らない社長が多いので、それを見越しての提案ではないでしょうか。

役員報酬が上がる=住民税、市民税などの税金が上がる・社会保険料が上がる

という後からついてくる社長の不利益は、この際無視です。

上がった手取りを見て社長が喜び、社長は生活レベルを上げ、その生活に慣れたころに高い税金の支払いがきても、顧問税理士には関係ありません。
税金、社会保険が上がる道を選んだのは、社長であるあなただからです。

高すぎる役員報酬を設定し倒産にいたった事例

エリア:東京都

業種:公共工事メインの建設会社

年商:2.4 億円

従業員数:6 名

役員報酬額 : 社長月額150万円、妻(役員)50万円

経緯 : 公共工事への入札時見積計算をミスし、利益より経費が高い案件が連続して発生。

融資を受けるも人件費、外注費で溶け債務超過状態。
そのような状態にも関わらず、生活レベルを下げられないことを理由に、社長夫妻は高い役員報酬を取り続けた。

滞納額 : 社会保険料 2,200 万円、税金 1,800 万円の滞納発生。

結果 : 年金事務所によるメイン口座の差し押さえが実行され、資金ショート。
売掛金も差し押さえられ倒産にいたる。

生活レベルを下げる努力より、売上を上げることで滞納問題を解決するという方針をとったために起きた悲劇。
売上を上げる努力は取引先あって始めて成立する話であるが、生活費を下げるのは自分の意識だけで確実に出費が下げられ、会社の経営にはプラスになる。
にもかかわらず、節約よりぜいたくな生活をとったために社長はすべてを失った。

高い住宅ローンが組めるから

これも実際に私が税理士に提案されています。

会社の売上、利益に関係なく高い役員報酬を設定し2年間税金、社会保険の支払いをすれば、高額な報酬が反映された2年分の納税証明書が取れます。
借りられる金額ですが、35年ローンの場合、上限まで借りて年収の7年分まで借りられると言われています。

役員報酬 2,000 万円ならば 2,000 万円× 7 年分= 1.4 億円

無理をして税金、社会保険を 2 年間年収2,000万円として支払えば、1億4,000万円の住宅ローンが組める可能性があるのです。

いま賃貸物件に住んでいるが、豪華な一戸建てが欲しいと奥様にねだられ
「社長になったんだしこれくらい買ってもいいか」
と購入されたが、払えきれなくなった社長を私は何人も見ています。

8,000万円の住宅ローンを組んだ 3 年後に倒産した事例

エリア:愛知県

業種:土建会社

年商:1.8億円

従業員数:4名

役員報酬額 : 月額120万円

経緯 : 住宅ローンを組みたいがために、利益がほぼない状態にも関わらず役員報酬を120万円に設定。
役員報酬を満額とれず30万円くらいで生活費をまわしていたが、高い税金、社会保険料の支払いが大きな負担となる。

組んだ住宅ローン額:奥様の希望もあり周辺の住宅よりはるかに高い一戸建て注文住宅を8,000万円で契約。

月の返済額:28万円

結果 : 受注減少と共にすべての支払いが滞りあえなく、住宅ローンを組んだ 3 年後に倒産。
自宅は華美すぎる自宅と判断され、銀行により競売にかけられた。

収入に見合わない豪華な自宅を、見栄で建てたために起きた悲劇。
豪華な自宅を建てても、会社の経営にはまったくプラスにはならない。
人にうらやましがられる生活をとるのか、それとも経営者として生きるのかの判断を誤り、すべてを失った事例。

高額な税金を払っていれば税務調査が入りにくいため

多くの税金を税務署に払っていれば、税務調査が入りにくいと言われています。

税務調査が入れば、必ず追加で何かしらの税金を支払うことになります。
「税務調査で追徴課税されるより、普段から多めに支払っておいて、税務調査を避けるほうがよいでしょ?」
という提案をする税理士もいます。

とれない役員報酬額が倒産への道を加速させる

当たり前の話ですが、受け取っている役員報酬が安ければ、その分負担するべき社会保険料は安くなります。

逆に役員報酬が高ければ高いほど、社会保険料額は上がります。
役員報酬額と社会保険料の金額は比例するのです。 

今の会社の経営状況では、受けとれない金額の役員報酬を設定していませんか?
自分の人生をかけた会社を倒産させてでも、高額な役員報酬を設定する必要はありますか?

社会保険料の滞納が始まると自転車操業におちいり、滞納額は雪だるま式に増えます。
自身の役員報酬が本当に適正なのか、一度しっかりと考えてみてください。

役員報酬がとれていなくても年金事務所には関係ない

滞納した社会保険を支払えず倒産危機にある社長から
「役員報酬は年間2,500万円の設定になっているが、実際は500万円しかとれていない。
そのことを年金事務所の担当者に言っても、支払額を減額してくれません。
どう交渉すれば減額してくれるのでしょうか?」
と、涙ながらに訴えられた社長がいらっしゃいます。

残念ながらとれていない役員報酬を理由に減額交渉を年金事務所に訴えても、減額は無理です。
あなたが役員報酬を満額とれていようがとれているまいが、年金事務所には全く関係のない事です。

支払うべきものが支払えないならば、差し押さえが実行されるだけです。

安い社会保険料額が銀行融資に悪影響を及ぼす可能性は?

■安い役員報酬に設定しているA社長の場合

役員報酬を年間96万円、月額8万円
この場合の社会保険、厚生年金の支払い額は
社会保険料 : 7,820円
厚生年金保険料 : 16,104円
合計 : 23,924円

■高い役員報酬に設定しているB社長の場合

役員報酬を年間1,200万円、月額100万円
この場合の社会保険、厚生年金の支払い額は
社会保険料 : 112,700円
厚生年金保険料 : 118,950円
合計 : 231,290円

※被保険者を経営者と仮定していますので、会社負担分は実質経営者負担とみなし、全額で計算しています。

A社長は銀行融資における交渉時、安い保険料が銀行融資時に不利になるのでしょうか?

700社超の会社再生に関わってきた私の経験上で結論を申し上げますと
社長個人の社会保険料額は融資の審査には関係ない
です。

決算書を見れば経営の実態はすぐにばれる

金融機関からの融資を相談する際に、
「社長の年収が高い=社会保険料等級が高いほうが有利」
と社長に進言する税理士がいますが、これはまったくの嘘です。

融資の相談時、金融機関にあなたの会社の決算書を提出しますよね。

金融機関の融資担当者は決算書を見れば、書かれているとおりの役員報酬を本当にとれているのか、本当はとれていないのに決算書上だけ高い役員報酬に設定されているのか、一目で見抜きます。

月額100万円の役員報酬に設定しているが、実は20万円しかとれていないという社長を私は何百人と見てきました。
このような会社は、決算書をみればすぐに分かります。
受け取れていない役員報酬は、決算書の役員報酬以外の項目の数字に、必ずのっているのです。

見た目だけの役員報酬、高い社会保険料を決算書で見て
「この社長は多くの現金を持っているな。では融資をしよう!」
と単純な判断をするような担当者は、金融機関での仕事はつとまりません。

彼らの決算書を見る目を馬鹿にしては決していけません。

社会保険料を下げられる裏ワザ

「社会保険料を下げる裏ワザはないのか?」という問いに対して、結論から言えば手法自体はいくつも存在します。

しかし私はその手法をインターネットという不特定多数が目にする場所で公開することは、プロとして絶対にいたしません。
なぜなら安易に公開された抜け道を基礎知識のないまま実行することは、単なる脱法行為となり、最終的に社長ご自身を破滅させるリスクをはらんでいるからです。

御社で可能な保険料削減する手法を知りたいという社長は、問い合わせフォームからご連絡ください。

社会保険料の削減スキームに必要な要素

  1. 会社の財務状況と現金の流れ
  2. 社長個人の資産状
  3. 役員報酬の適正額と会社再生プラン

上記3つの要素が複雑に絡み合い、どのような方法がとれるのかが変わってきます

A社で成功した方法が、B社では悪質な資産隠しと見なされることもあるのです。
最大の結果を出しつつも法的に無傷で生き延びるためには、一概に “ こうすればこうなる “ と言い切れるような単純な公式は存在しないのです。

士業の言いなりがまねく社保倒産の恐怖

多くの社長は社労士や顧問税理士に言われるがまま役員報酬を決定、書類を提出し、その結果として社保倒産に追い込まれています。

彼ら士業は税務や労務のプロですが、倒産危機から会社を再生させるプロではありません

基礎をおろそかにして裏ワザだけに飛びつくことは、砂上の楼閣を建てるようなものです。
まずは土台となる基礎知識を固め、その上であなたの状況にのみ適合する戦略を、しっかりと作り上げる必要があるのです。

社会保険料が会社で払えない場合の対処法

社会保険料の滞納がすでに始まっていて、対処方法が分からない、もしくは今とっている方法で間違いがないのか、もっといい方法を探している社長は、当サイト内 ” 社会保険を払えない会社が無傷で滞納を解消できる具体的手法 ”を参照してください。

まとめ

  • 高すぎる社会保険料が発生する理由は以下の3つ。
    1. 社長の考えだけで役員報酬を決定
    2. 税理士の言いなりで役員報酬を上げる
    3. 高い住宅ローンが組むため
  • 役員報酬がとれていなくても、年金事務所との減額交渉の理由にはならない
  • 社会保険料を下げられる裏ワザは存在するが、基礎知識のないまま実行することは、単なる脱法行為となり、最終的に社長ご自身を破滅させるリスクをはらんでいる
  • 社会保険料の削減スキームに必要な要素は以下の3つ。
    1. 会社の財務状況と現金の流れ
    2. 社長個人の資産状況
    3. 役員報酬の適正額と会社再生プラン
  • 社長が士業の言いなりになることいが社保倒産を招く

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現在の会社の状況にお悩みではありませんか?

「社会保険料が払えきれない。」
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    【FAQ】社会保険料の削減と経営リスクに関するよくある質問

    Q
    なぜ社会保険料の負担が原因で、会社は倒産してしまうのですか?
    A

    利益が出ない赤字の状態でも、強制的に徴収される死神の固定費だからです。

    社会保険料は法人税と異なり、会社の利益に関係なく役員報酬や給与の額に応じて機械的に算出されます。

    赤字経営で資金繰りが悪化していても容赦なく徴収されるため、実態に見合わない高い報酬設定は、会社の息の根を止める死神へと変貌します。

    Q
    役員報酬を下げて社会保険料を削減すると、銀行融資に悪影響が出ませんか?
    A

    いいえ、ありません。

    銀行が最も重視するのは社長個人の生活水準ではなく、会社の営業利益と返済能力です。

    役員報酬を下げることは、販売管理費(経費)の削減に直結し、その分だけ会社の営業利益は押し上げられます。
    銀行にとって、利益が増えキャッシュフローが改善している会社は、以前よりも貸しやすい相手と映ります。

    Q
    社長の報酬を削ることは、銀行の担当者からどう評価されますか?
    A

    経営者の覚悟として高く評価されます。

    資金繰りが苦しい中で高い報酬を取り続けている社長よりも、自らの身を削ってでも社長としての責任をまっとうして会社を立て直そうとする社長の方が、金融機関からの信頼は劇的に高まります。
    銀行は贅沢をしている社長ではなく、会社を生き残らせるために腹をくくった社長を支援したいと考えるのが、実務上の現実です。

    Q
    社会保険料を安くすることで、将来の年金が減るデメリットはどう考えればよいですか?
    A

    将来の年金よりも今の生存を優先すべきです。

    確かに将来受け取れる年金額は減少しますが、社会保険料の支払いで今日、明日の資金繰りが破綻し、会社が潰れてしまえば、将来の保証どころではありません。

    まずは徹底的な削減で止血を行い、会社を存続させることが、経営者としての最大の責任です。

    Q
    社会保険料の削減(適正化)を検討すべきタイミングはいつですか?
    A

    会社の経常利益が圧迫されていると感じた今が、その時です。

    役員報酬の変更には期限がありますが、経営危機であれば随時改定などの実務を駆使して即座に動く必要があります。

    遅すぎる決断は、会社の現金をただドブに捨て続けることと同じです。